ジプシー占いの秘密 ジプシー占いの秘密
画:荒牧幸子 監修:南城武
発行:二見書房 昭和57年7月15日第5版 ISBNの記載無し

 このデッキは、小アルカナ+魔女カード2枚という構成なので、「死神」はいないだろうと思っていました。が、いました、ちゃっかり…。スペード、つまり剣のスートの5番です。監修者である南條氏が、「正位置も逆位置も最悪なカード」と書いているとおり、禍々しい要素がたっぷりです。
 「死神」ときたら「大鎌を持つ骸骨」というのは、比較的定番です。が、馬に跨がっているとか、足元の死体の一部か豊かな実りを刈り取ろうとしているとか、「死の象徴ではあるけれど、いつか誰にでも訪れるものだし、君の死後も何か残るものがあり、君自身にも満足できるものがあるはずだ」と述べることができる要素が一つはあります。
 でも、この「死神」には、それがとても少ないんです。
 空には、月。もう数日で新月になるだろう、二十五夜か二十七夜ってところでしょうか。光が当たっているほうに太陽があるはずですから、この空は東側で、まもなく日の出を迎えます。雲は、果たして、月も太陽も隠そうとしているのでしょうか、逆に夜明けを「死神」に伝えようと開けていくところでしょうか。羽織っているマントは、日差しを避けるためというより、この「死神」の絶対的な強さを象徴しているかのようです。日差しすら「死神」を制することは難しいとすら考えてしまうのは、獲物を求める獣のように膝を曲げ、すぐに大鎌をふるえるように両腕で身構えたまま、彷徨い続けているがごとき姿勢のためかもしれません。



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