Celestial Tarot
画:Kay Steventon 監修:Brian Clark
発行:U.S.Games Systems, inc. 22004年 ISBN1-57281-473-X
直訳すると「天空のタロット」という名になるデッキだけに、ほとんどのカードに夜空が描かれています。このカードも例外ではありません。
天の川を黒衣の女性が降りてきて、青い衣1枚の女性に手を差し伸べています。青い衣の女性は肌の色もほの赤く、髪もショールも風になびいています。たった今、空に昇ったばかりなのでしょう。黒衣の女性と会って、初めて自分の行くべきところを知ったのかもしれません。顔は見えませんが、立ち止まりそうな脚運びです。無理もありません。黒衣の女性の服装も顔色も、とても暗くて不気味なのですから。同行すれば自分もそうなるかもしれない……なんて思いが過れば、躊躇するというものです。
果たして、青い衣の女性は黒衣の女性のようになってしまうのでしょうか?
私は「ならない」と思います。黒衣の女性は死者ではなく、使者だからです。二人の足元に描かれている生き物が、根拠です。黒衣の女性の足元には、天の川付近に位置する蠍がいます。ご存知のとおり、毒をもってオリオンを殺した、死の使いです。死そのものではなく、死者でもありません。「あなたは死ぬ(死んだ)のだ」と告知する使者として、まさにうってつけのモチーフです。また、青い衣の女性の足元には、光から半身を乗り出している鳥が描かれています。多分、不死鳥でしょう。「今は生命力を失うけれど、また取り戻して輝ける」という暗示に見えるのは、私だけでしょうか。それを意識してもう一度青い衣の女性を見つめると、不死鳥の羽ばたきのごとくショールと髪がなびいているのも、心と魂の躍動が失われていないという意味に思えて、輝いて見えるのです。
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